皆さんは「場末」の文字にどのような印象がありますか?
「場末」の文字にはなぜかスナックやバーの文字が似合います。そして場末のスナックには少し疲れた感じの影がありそうなママがいて、客足はいつも疎らという感じでしょうか。
今回はこの「場末」の語源や意味、そして場末のスナックやバーの魅力について紹介します。
そもそも場末とは何なんでしょうか。
場末とはどういう意味?
場末のバーやスナックと言うとこの言葉の響きから、寂れた感じの印象を受けませんか?
しかし場末の本当の意味は、「繁華街の中心から離れた場所」や「郊外」です。栄えている繁華街や大都市から外れたところを意味するので、「街はずれ」や「裏通り」を表す時にも用いられます。
場末の語源は?
場末の意味は分かりましたが、その語源も気になります。そして調べてみましたが、でもどこにも語源は載っていません。
使われている文字を見ると、「場」には何かが行われる所の意味があり「末」は中心じゃないことやはずれなどの意味があります。わざわざ場末といわなくても「郊外」の言葉で十分伝わるような気がします。そして郊外のほうが寂れたような野暮ったさを連想させなくて、良い印象になるのではないでしょうか?
しかし「罵声」と似た言葉の「場末」。
地方や街はずれに行くと、昼間からお酒を飲んで時に喧嘩のような罵声が聞こえる酒場ってありますよね。もしかしたらこの言葉と賑やかな酒場の様子が「場末」語源なのかもしれません。
場末のスナック
スナックではカウンターの向こうから笑顔で接客してくれるのは、「ママ」と呼ばれる女性です。
一人で切り盛りしているお店もあれば、若い女性が接客のお手伝いをしているお店もあります。お酒と軽食を提供してくれるので、ママの手料理を肴にお酒が飲めます。
スナックの常連客は年齢層が高い事が多いので、お店全体が落ち着いた雰囲気に感じます。
ここを訪れるお客さんはママや他の常連さん達と会話を楽しんだり、そしてカラオケで好きな歌を熱唱します。リーズナブルな金額でお酒を飲んで、楽しく過ごせるのがスナックの魅力です。
地方の小さな町には、住民に長年愛されているスナックがあります。お客さんとママとの信頼関係が結ばれていてママがお料理などをサービスしてくれたり、常連のお客さんもママのバースデーや開店記念日にはお祝いに集まってくれます。
常連客同士の絆も深く、辛い時には励ましあい嬉しい時にはみんなで一緒に喜びます。都会の真ん中ではなかなか見つからない、情に溢れた空間です。
場末のバー
バーはカウンタースタイルのお店で、イギリスではパブと呼ばれます。
カウンターの向こうではバーテンダーがカクテル作りをします。ほとんどが男性で「マスター」と呼ぶお店もあります。バーテンダーはカウンターにいる一人一人のお客さんに気を配っており、グラスに飲み物が少なくなるとさりげなく次の飲み物のオーダーを聞いてくれます。
バーを訪れる常連客はここでのマナーがわかっているので、飲んで騒いで他のお客さんに迷惑をかけるような事はありません。照明を落とした落ち着いたお店の中で、ゆっくりと好きなお酒を自分のペースで楽しめるのが魅力です。
街はずれの人通りの少ない寂れた感じの場所にも、バーはあります。カウンターだけの狭いお店が多く、お客さんが数名入るともうお店の中は満員です。多少座席が狭くなっても誰も不満は言いません。都会のバーと違って地元住民同士、お互いの事を良くわかりあっているので譲り合って気持ち良くお酒が飲めます。
カウンターで肩を並べて会話を楽しむこともありますが、近所で暮らす常連客が今日も元気にお酒を飲みに来ている様子を見るだけでホッとしますね。
まとめ
「場末のバー」や「場末のスナック」は「場末」の本当の意味を知らないと、寂れていて客の入りが悪く閑散としたイメージを持つことがあります。
場末は本来は「都心や繁華街から外れた」事を表す言葉です。
しかしスナックやバーに「場末」の文字が付くと、なぜかそのお店に対する印象がガラッと変わります。中心街から離れたという本来の意味だけではなく、そのお店の温かみや人情味まで感じます。
場末の言葉は都会の人々が郊外を見下して使い始めたのではなく、場末のスナックなどの常連さんがお店に対する愛情表現として使い始めた言葉なのかもしれません。
そして街はずれにあれば銭湯やスーパーなど何にでも「場末」は使えますが、スナックやバーほど「場末」が表現したい温かみや人情を伝えられる物は無いのではないでしょうか。
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