常用漢字と当用漢字の違いとは?歴史と背景を解説!

「常用漢字」と「当用漢字」という言葉は皆さん聞いたことがあるかと思います。しかし、その違いを知っている人はそれほど多くはないのではないでしょうか?

なぜ「常用漢字」と「当用漢字」があるのか、2つの違いとは何なのでしょうか。その歴史的背景を調べてみました。

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常用漢字とは

常用漢字とは、現代における漢字使用の標準です。1981年に国語審議会で答申した常用漢字表が交付されました。

一般社会生活で用いる場合の、効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安です。

当用漢字とは

一方、当用漢字は、第二次世界大戦後の1946年に国語審議会の答申に基づき内閣告示されたものです。

当用漢字は、日常使用する漢字の範囲を定めたもので、漢字使用の制限を目的としています。
ちなみに当用漢字と同時期に、現代仮名遣いも交付され、音訓・字体も定まりました。

常用漢字と当用漢字の違いとは

当用漢字は、将来的に漢字を全廃することを目的として、当面の間だけ用いて良い漢字として選ばれました。つまり、「これ以外の漢字は使うな、かなで書くように」と制限したのです。そして、漢字の使用率を段階的に減らしていき、最終的には漢字を廃止しようと考えたわけです。

しかし、現実的に漢字を廃止するということは不可能であると判断され、常用漢字は「常に用いる漢字」として字数を増やして制定されました。

つまり、当用漢字は漢字廃止が前提であり、常用漢字は漢字使用が前提であるというわけです。

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常用漢字と当用漢字の歴史的背景

日本は、1945年第二次世界大戦で敗れ、敗戦国となりました。そして占領国のアメリカが、日本の教育を改革するために教育使節団を日本に送り込んできたのです。占領軍が中心となって戦後改革を進めていく中で、古い因習を廃絶していくという目的で「漢字全廃」を計画したのです。

当時のアメリカの言い分はかなり無茶でした。「日本人は漢字・ひらがな・カタカナという3種類もの言葉を覚えることが大変で、科学的な勉強をすることができなかったのではないか。だから戦争に負けたのだ。こんな難しい言葉を使うのはやめて、アルファベット26文字を覚えるようにしたら良い。日本語を、アルファベット表記にしなさい。」などという、ひどい要求でした。

しかし突然漢字がなくなっては日本全体が混乱してしまいますので、1946年に当用漢字を定め、当面の間は使ってもいいよ、ということにしたのです。いずれ漢字はなくすけれど、当面使う漢字ということだったのです。

そして時代は変わり1981年、やはり日本はこれからも漢字を使用していく、という理念のもと、当面用いる漢字ではなく常に用いる漢字として、常用漢字が制定されました。このときの常用漢字は、当用漢字1850種のほとんどと、新しく加えられた漢字を合わせて1945種でした。

その後、2010年に新常用漢字として、常用漢字から5種減・191種増の2131字が新たに告示されました。

常用漢字のあれこれ

1981年に常用漢字が制定されるまで、漢字に終戦の影響が残っていたなんて驚きです。自分は学生時代当用漢字を習っていたのか、と驚く方は多いと思います。

そして、普段良く使う見慣れた漢字なのに常用漢字ではない、なんていう不思議もあります。例えば県名に使用される「埼・阪・熊・茨・阜・鹿・奈・梨・媛・栃」は、常用漢字ではありません。

また、常用漢字は公用文書や新聞雑誌などで使う漢字の目安ともなっているので、常用漢字に入っていない文字を使うときにはひらがなにするか、漢字にルビを振るようになりました。例えば、「拉致」の「拉」は常用漢字ではありませんので、「ら致」と表記することがあります。テレビや新聞などで良く見かけますね。ほかにも「破綻」が「破たん」と表記されているものも常用漢字でないことからの影響です。

まとめ

常用漢字と当用漢字の違い、おわかりいただけましたでしょうか?

漢字が戦争に翻弄されていたなんて、学校では詳しく教わりませんでした。

これからも漢字を日本人の誇りとして守っていきたいところですね。

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