日本語には夜のことを指す言葉がいくつもあります。その日の夜のことを話す時、一般的に多く使うのは「今夜」や「今晩」といった言葉ではないでしょうか。
少しお洒落な言い方をすると「今宵(こよい)」という言い方もあります。
日本語の中には、似た意味の言葉でも、使い方によって違う意味を持つものもあります。では今宵と今夜、今晩にも意味や使い方に違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、今宵とはいつのことを指すのか、今夜や今晩とは違いがあるのかなど、「今宵」という言葉の意味や使い方についてお伝えします。
今宵とはいつのことを指す?
今宵は今夜や今晩と同じように使うことができます。どの言葉もその日の日没から次の日の日の出までの時間を指す言葉です。
ただ、今宵という言葉は、朝になった時点で直前の夜のことを指す意味でも使われることがあります。
今夜と今晩はその日の夜のことだけを指しているのに対して、今宵は朝になってからも前の夜の意味として使ってもいいのです。
今宵はその日のことだけでなく、前日のことも指すので一見矛盾しているように感じます。しかしこの曖昧さが、かえって日本語独特の懐の深さにもなっているのです。
今宵と今夜、今晩の違いは何?
今宵、今夜、今晩、これらの言葉の意味に違いはありません。どれも日没から日の出までの時間を指す言葉だからです。
しかし、いつの夜かを細かく表現したい時は今宵の方が使い勝手がいいでしょう。
今夜と今晩はその日の夜にしか使えませんが、今宵はその日の夜にも、夜が終わってしまった後の前の夜の意味にも使うことができるからです。
「今宵」が今夜や今晩と大きく違う点は、応用の幅が広いことで、使い方によって違いを出すことができるところです。
今宵だけの便利な意味や使い方とは?
「今宵」は、今夜や今晩と比べると便利に使うことができる言葉です。今宵には「前日の夜」という意味もあるからです。
今夜と今晩はその日の夜のことしか指すことができません。前日の夜のことなら昨夜、昨晩となりますし、次の日の夜のことなら、明夜、明晩となります。
「今宵」は日付が変わり朝になっても、前日の夜のことを指すことができます。しかし今夜や今晩という言葉を昼間に使うとこれからやってくる夜の意味になってしまいます。
今夜や今晩という言葉を夜に使うとその日の夜限定の意味になってしまいますが、次の日の朝に使う時は、今宵だけが過去のことを指すことができるのです。
この点では今宵に便利な意味や使い方があると言えますね。
宵には多くの意味や使い方がある
今宵以外にも「宵」が付く言葉はたくさんあります。ここでいくつかご紹介しましょう。
・宵
宵は夜全体のことも言いますが、夜になって間もない頃のことや、祭りの前夜のことも指すことができます。
・終宵・通宵
終宵(しゅうしょう)や通宵(つうしょう)は一晩中、終夜と同じ意味があります。
・中宵・半宵
中宵(ちゅうしょう)や半宵(はんしょう)は夜中と同じ意味です。
・宵宵
少し面白い感じがしますが、宵宵(よいよい)という言葉もあります。宵ごと、毎晩毎夜のことを指す言葉です。
「宵」が付く言葉はまだありますが、いくつか挙げただけでも色々な意味があることがよく分かりますね。日常の会話ではなかなか使わない言葉ばかりなので、使いたい場合は文章を書く時に使うと使いやすいでしょう。
まとめ
「今宵」という言葉は日常では使うことがあまりありませんよね。映画や小説などの物語で目にしたり、耳にしたりするくらいでしょうか。
今宵(こよい)は意味や使い方だけでなく、今夜(こんや)や今晩(こんばん)と比べて発音の印象も違います。
だからこそ、今宵という言葉を上手く使うことができれば言葉の表現の幅も広がりますね。
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