さっきまでいい天気だったのに、急な雨でびっしょり…そんな経験はありませんか?
こんな雨のことを、「にわか雨(俄雨)」や「通り雨」、時には「夕立」などと言いますね。
こうした、いきなり降る雨の様々な名称、これらにはどういった違いがあるのでしょうか?
今回は、にわか雨や通り雨、夕立などの違いについて、わかりやすくご紹介していきます。
にわか雨とはどんなものなんでしょう。
にわか雨(俄雨)と通り雨の違いとは?わかりやすく違いを解説!
「にわか(俄)」とは、急に物事が起こる様子や、急な変化、一時的であることなどを指します。
最近では、「にわかファン」なんていう使い方が良く見られますね。
この“にわか”に“雨”がくっついているので、「急に降ってくる一時的な雨」という意味になると考えられます。
一方で、通り雨にも 「一時的な雨」という意味があります。
この二つの違いはなんでしょうか?
気象庁の発表する「雨に関する用語」によると、通り雨とは、正式には「しぐれ」とよばれ、「大陸からの寒気が日本海や東シナ海の海面で暖められて発生した対流雲が次々に通るために晴れや曇りが繰り返し、断続的に雨や雪の降る状態。「通り雨」として用いられる場合もある」と説明されています。
つまり、通り雨は、単に「急に」「一時的に」降るというよりは、断続的に降ったり止んだりを繰り返す気象現象であると言えます。
にわか雨については「一時的な(一過性である)」雨であることが要件ですので、頻繁に降ったり止んだりを繰り返すと、にわか雨とはいえなくなります。
夕立の意味は?にわか雨とは?違いはなに?
夏の夕方に、突然一時的に激しい雨が降ることがよくありますが、これを夕立と呼んでいます。
一時的な雨という点ではにわか雨と似ていますが、夏季以外には用いられません。
気象庁では、正式な予報用語ではないものの、解説用語として扱っています。
そう考えてみると、確かに、夏場以外に夕立にあった記憶、無い気がしますね。
夕立のメカニズムとは?
夏の強い日差しで地表付近の空気が暖められると、周りの空気よりも軽くなり、膨張しながら上昇を始めます。
このとき十分な湿り気を帯びていると、上昇しながら冷える過程で水蒸気が水滴に変わって雲が発生します。湿気があるほどすぐに飽和に達するので、より低い位置で凝結して雲になります。
この水蒸気が水滴に変わる過程で、「潜熱」(せんねつ)と呼ばれる熱が放出されるので、空気の塊は上昇を続けても温度の下がり方が緩やかになり、暖かさを保ったままさらに上昇を続け、雲を発達させていきます。
湿気を持った空気であればあるほど、この働きは強く働きます。
こうしてできるのが、あの夏特有の積乱雲です。
積乱雲の中で大量に蓄積された雨が一気に降るため、地上では激しい雨になって雷を伴ったりします。
この間、雲は1カ所にとどまらないので、通り雨と似た一過性の雨になることが多いのです。
積乱雲が発生して、成長し、消滅するまでの寿命は、およそⅠ時間程度と言われ、その大きさは数10kmほどだといいます。
範囲は狭いのに上下に厚(高)く、寿命も短いため、雨の降る場所と降らない場所がはっきりと分かれ、局所的な降雨になることが多いのです。
これをたとえて、「夕立は馬の背を分ける」(馬の狭い背中でも、雨が降った側と降っていない側に分かれる)などということわざがありますが、これがその根拠なんですね。
まとめ
にわか雨、通り雨、夕立…
普段なかなか考えないと思いますが、実は明確な区別があったんですね。
現在では、スマートフォンで簡単に雨雲レーダーが観られますが、にわか雨というだけあって、予想はなかなか難しいものです。
ただ、夏の暑い日には、にわか雨や夕立がありがたいこともありますよね。
積乱雲も、夏の風情という感じで、わたしは意外と好きだったりします♪
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