刺身の皿に乗っている黄色い花、実はたんぽぽではありません、菊の花です。
では、なぜ菊の花が刺身の上に乗せられているのでしょうか?
刺身の色は赤や白が多いので、一見黄色を彩りとして使っているように思えますが、食中毒予防のために食べるなど、ちゃんと菊の花を乗せる理由があるのです。
今回は、刺身に菊の花を乗せる理由や刺身以外の料理に使う方法などをお伝えします。
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なぜ刺身の菊の花をたんぽぽと間違えるのか?
菊の花とたんぽぽはどちらも黄色く、花の形も似ていますし、小さな菊はたんぽぽと大きさも同じくらいなので間違えても仕方ありません。
なぜなら、どちらもキク科の植物だからです。さらにはどちらも食用としても栽培されています。
刺身の場合、使われているのは「つま菊」や「小菊」と呼ばれている小さな食用菊です。
食用菊の生産量が一番多い県は愛知県で、次いで山形県、青森県の順に食用菊が作られています。
品種はたんぽぽと似た小さな黄色い花の「阿房宮(あぼうきゅう)」、その他には、紫の花の「延命楽(えんめいらく)」などが有名です。
刺身に菊の花を乗せる理由とは?
菊の花を刺身に乗せる理由は、食べることで食中毒を防ぐためです。
菊の花には人間の細胞の中にある「グルタチオン」という成分の生産能力を高める効果があります。
グルタチオンは解毒物質なので、食中毒を予防するのに有効なのです。
菊の花以外でつまとして使われる食材にも食中毒を防ぐ効果があります。
大根には「ペリルアルデヒド」という殺菌成分、大葉(しそ)には「アリルイソチオシアネート」という殺菌成分が含まれています。
つま以外のものでは、酢飯の酢に含まれる酢酸には殺菌作用がありますし、わさびにも大葉と同じくアリルイソチオシアネートが含まれています。
これだけ刺身に殺菌作用のある食材を多く使っていることから、昔から日本人が食中毒に気をつけていたということがわかりますね。
菊の花を食べる時の食べ方
刺身のつまは、食べる派と食べない派に別れますが、菊の花は苦味があるので食べる人はあまりいません。
中には、花を食べるのに抵抗のない人もいるみたいですが、まるごと食べるのはやはり苦味が強いのでおすすめできません。
もし菊の花を食べるのでしたら、花びらをちぎって醤油の器に入れるのがおすすめです。
花びらくらいでしたら苦味も控えめで花の香りを楽しめますし、醤油に花びらが浮いている様子がオシャレに見えます。
刺身以外で菊の花を食べる時のおすすめ調理法
食用菊には様々な調理法があります。おひたしや天ぷらにもできますし、和え物やサラダ、酢の物にもおすすめです。
菊はシャキシャキとした食感が特徴なので、食感を生かした食べ方の方がいいでしょう。
香りも楽しめる食材のため、香りを生かしてもいいかもしれません。
菊の花は煮たり炒めたり熱を加え過ぎると茶色くなってしまいます。あまり熱を加えず、鮮やかな色を生かした料理がいいでしょう。
菊に含まれている多くの栄養素
意外だと思われるかもしれませんが、実は菊の花には多くの栄養素が含まれています。
カリウムやカルシウムといったミネラルから、ビタミンCやカロテン、ビタミンEといったビタミン群まで含まれているのです。
他にも抗酸化力のあるポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」も含まれています。
健康効果としては、発がん物質の抑制やコレステロールの低下、中性脂肪の低下などがあります。
栄養素や効果の面から見ても、菊の花は食中毒の予防として刺身に使うだけでなく、他の料理にも有用ですね。
まとめ
菊の花は料理としての彩りだけではなく、食中毒を防ぐ効果があったのですね。
食感や香りを生かして料理にも使えます。さらには、栄養素も豊富に含まれています。
菊の花は中国では漢方として使われているそうです。乾燥させてお茶として飲んでいるとのことです。
日本では刺身のつまとして使われていますが、海外でも菊の効果は知られているのですね。
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