スーツを着るときに、ふと不思議に思うこと。それは
ジャケットの袖口についているボタン、必要あるのかな? ということです。
シャツの袖についているボタンは、脱ぐ際に留め外しを行う場合もありますが、
そもそも外せないジャケットの袖のボタン。
何のためにつけてあるか、ご存知ですか?
今回は、今さら聞けない! スーツに関するあれこれ、第二弾。
スーツのジャケットの袖にあるボタンは何のため? 意味はあるの? の回です。
(第一弾はこちら)
ボタンの数にも、数によって意味は変わるのでしょうか。
スーツの袖のボタンは、何のため?
スーツの袖にボタンを最初につけたのは、ナポレオンだと言われています。
フランスの皇帝であるナポレオンが、軍を率いてロシアへ侵攻する際、極寒の山越えをする必要があったそうです。
寒くて震えながら移動する兵士たちは、たれてきた鼻水を袖でぬぐうため、ジャケットは汚れていました。
その様子を見苦しいと感じたナポレオンは、鼻水をぬぐわないように、袖にボタンをつけたと言われています。
(スーツの袖口ボタンに関する由来は諸説ありますので、そのうちの一説です)
元は飾りでもなく、嫌がらせ(?)のためだったのですね。
現在でも、その名残から袖には飾りとしてボタンをつけているそうです。
袖ボタンの数には意味がある?
実は、ボタンの数に特にルールがあるわけではないようです。
現在においては完全に飾りですから、数にも意味はありません。
ただし、いくつかの傾向はあります。
基本は2個~4個
袖口ボタンの数は、少ないほどカジュアルに、増えるとドレッシーな印象になるそうです。
2個のものはスポーツジャケットやブレザーなどに多く見られ、
ちょっとカジュアルなものになると3個のものも見られますが、
ほとんどは4個で構成されているのではないでしょうか。
とはいえ、欧米人に比べるとどうしても手が短めの日本人は、3個が最もバランスがいい個数といわれています。
多いと、さらに手が短く見えてしまうそう。
余談ですが、2個と2個の間がちょっと空いた4個、というタイプもあり、
これは英国の軍服に由来するディテールなのだそうです。
重ねボタンも4個が多い
重ねボタンとは、その名の通り、ボタンが重なっている状態でついているものです。
その場合も、ほとんどのものが4個だそうです。
日本人も、ふつうにつけた4個では少し多い印象になっても、重ねボタンだと4個でバランスよく見えます。
もちろん、オーダーで作れば好きな数をつけることができますが、4個を選ぶ人が多いそう。
袖ボタンが外せるスーツもある
通常のスーツだと、ジャケットの袖ボタンは取り外しができないものばかりです。
しかし、ボタンを付け外しできるスーツもあるのです。
そのようなスーツの仕立てのことを「本切羽仕立て」といいます。
これは、別名「ドクタースタイル」と呼ぶそうです。
ヨーロッパでは、昔からシャツは下着、ジャケットは上着という認識があるため、
スーツを着る際に人前ではジャケットを脱ぐ習慣がありません。
でも、そのままだとお医者さんが患者さんを診る際には邪魔ですよね。
そこで、ジャケットの袖口が邪魔にならないよう捲るために、
袖ボタンも取り外しができるタイプが作られたのです。
既製品ではほとんどありませんので、オーダーで作る場合はこのタイプも根強い人気があります。
ただし、あまりに多いボタンの数にすると、取り外しが大変になるので気を付けてください!
まとめ
スーツのジャケットの袖口についているボタンは、多くの場合が飾りです。
ついている数にあまり意味はありませんが、4個の場合が多いようです。
袖のボタンが取り外しできて、袖口を緩めることが可能なスーツは「本切羽仕立て」といいます。
コメントを残す