怒っている人に対して 「血圧が上がるから落ち着いて」なんて声をかける場面をTVで見たり、実際に出くわしたりすることが誰しも経験があると思います。このことから血圧は興奮すると上がるもの、という感じで理解している方は多いのではないでしょうか。
人間の体は夜は眠るために活動を穏やかにしていきますので血圧が下がっていき、逆に朝は体が活発になるので少し上昇するというのが健康な人の血圧のパターンです。
なので、興奮するということは活発になると考えられますから血圧は興奮すると上がるもの、という考えは間違いではありません。ですが、通常夜は落ち着くはずの血圧が高くなってしまう場合もあり、放置しておくのは危険です。
防止したり改善させるためには、なぜ夜に血圧が高い原因を知る必要が重要になりますので、そのことについて詳しく説明していきたいと思います。
血圧のリズム
冒頭でも少し触れましたが健康な人の場合は、1日の血圧の動きは日中が高く夜は低くなるという一定のリズムで推移しています。
また、昼間に激しい運動をすればさらに上昇しますし、そして怒りなどの感情からも血圧は変化を起こします。行動や感情で上下する動きはありますが、基本的なリズムはそのままです。
夜に血圧が高いのは夜間高血圧
通常は落ち着くはずの血液が、夜になっても下がらなかったり、逆に上昇してしまうこともありこういった血圧の状態を夜間高血圧と呼ばれています。大抵の場合、夜間は病院ではなく自宅にいることが多いため、夜間高血圧を発見しにくいのが現状です。
しかし、血管は身体中に張り巡らされているため、脳や心臓、臓器などの重要な器官に負担がかかってしまうことにより病気を引き起こす可能性も高く、治療せねばならない危険な疾患です。
昼間でも正常値よりも高い血圧の数値となってしまう高血圧の方がいますが、夜間高血圧との危険性を比べると、死亡率が高いのは夜間高血圧となっています。
実は、脳や心臓などが血圧の上昇で重篤な状態となり倒れてしまうのは朝が多いとのことですので、夜間高血圧が下がらなかったために引き起こされてしまったとも考えられます。
昼間は血圧が正常値だとしても、このような恐ろしい症状があらわれる可能性もありますので、軽視せずに予防や治療に取り組んでいくことが大切です。
夜間高血圧を引き起こす原因
そもそもなぜ夜間高血圧になってしまうかというと、基本的には他の病気によって引き起こされた二次的な症状です。
夜間高血圧を引き起こしやすい病気は
- 睡眠時無呼吸症候群
- 脳の病気
- 糖尿病
などがあげられます。また、自律神経のバランスが崩れたり、塩分の過剰摂取により循環する血液量が増加してしまうことでも、夜間高血圧になる可能性がありますので注意してください。
夜の血圧が上がるのを防止・治療するためには?
夜間高血圧の予防法
夜間高血圧の発症原因は複数あるため、そのひとつひとつの病気の予防をするしかありません。要は健康を維持して規則正しく生活していることが1番の予防法だと思います。
毎日を忙しく過ごしているとなかなか難しいとは思いますが、あまり無理をせずストレス溜めないようにしたり、しっかりと睡眠をとることも大切です。
高血圧にならないように、塩分量なども気をつけると良いでしょう。
夜間高血圧の治療
夜間高血圧となってしまった原因の病気を治療すれば治ります。ということは、病気を放置した状態で夜の血圧を下げようとしても改善することはありません。
現在、病気の治療を行なっているのであれば、その治療に専念し、受診の際に夜に血圧が高くなってしまう旨を主治医の先生へ伝えるのが良いでしょう。
そうすることで、現在治療している治療に加え、夜間高血圧にならないように薬を変えてくれるなどの処置をしてくれるはずです。
特に治療している病気もなく通院していないという方は、生活習慣を見直してみましょう。塩分の過剰摂取はしていないか、自律神経の働きが異常になる行動はしていないかなど思い当たる節はないでしょうか。
自宅で改善されたなら問題はありませんが、しばらく夜間高血圧が続くようなら受診をおすすめします。何か別の病気が潜んでいるかもしれませんので、重篤になる前に折を見て病院へ行ってみてください。
まとめ
夜間高血圧は、昼間の高血圧よりも死亡リスクが高く、放置するのは危険です。しかし、昼間は正常値だったり通常病院へ行かない時間帯なため、発見が遅れがちになってしまうのが怖いですよね。
人間の体の中にはたくさんの血液、そして血管ありますので、血圧が上がればどの臓器に負担がかかってもおかしくありません。
なかなか重篤にならないと、このような危険性に対する危機感を持つのは難しいですが、今できていることが難しくなる状況が明日にも来るかもしれません。
健康を維持していればそのようなこともなく元気に生活を続けていけますので、他人事と思わずに毎日の生活習慣などを見直してみましょう。
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