「夜になると全身がかゆい」ということはありませんか? かゆくなる人は、特に乾燥する時期になると症状が現れやすくなりますよね。
でも、かゆくなったからといって一度掻いてしまうとさらにかゆくなってしまうものです。
しかし、一概にかゆみと言っても原因には色々あるので、「対処法が分からない」という人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、夜、全身かゆい人のために、かゆみの原因や対処法についてお伝えします。
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かゆみの原因は何?
全身がかゆくなる病気には色々なものがあります。
中でも、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎や蕁麻疹(じんましん)など皮膚炎に当たる病気がかゆくなる病気としては代表的です。
そして、それらの皮膚炎になるとなぜ、かゆくなるのか、原因は大きく2つに分けられます。それは「アレルギーによるものか」もしくは「刺激によるものか」です。
アレルギー性皮膚炎
アレルギーによる皮膚炎で代表的なのは、やはりアレルギー性皮膚炎です。アレルギー性皮膚炎は、免疫反応が異常を起こして現れる皮膚の炎症です。
例えば、アレルギーを起こす食べ物や、金属が皮膚に触れることによってかゆくなる金属アレルギー、ホコリやダニなどのアレルゲンによるものなど、アレルギー性皮膚炎の原因はたくさんあります。
アレルギーによる病気はアレルギー性鼻炎や気管支喘息、食物や薬物によるものなどもありますが、皮膚に起きるものがアレルギー性皮膚炎なのですね。
症状の見た目は、ぽつぽつとした赤い点や、小さくぷくっとした膨らみです。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、アレルギー反応のうち皮膚に炎症が起きる症状のことです。
アトピーという言葉の由来はギリシャ語で「特定されていない」や「奇妙な」といった意味の「アトポス」です。
アトピーは医学用語で「タンパク質のアレルゲンに強く反応する傾向」を表したものなので、呼び方は違いますがアレルギー性皮膚炎と同じ症状のことだと言えます。
接触性皮膚炎
刺激による皮膚炎の代表は「接触性皮膚炎」が挙げられます。
この皮膚炎は肌に刺激の強いものが触れた時に起こります。たとえば油や洗剤に触れる、皮膚の刺激となる成分を持つ植物に触れるなどです。
触れた部分は赤くなり、かぶれの状態となります。接触性皮膚炎はアレルギー性の物質が肌に触れることで起きる症状なので、触れたものによって違いがあるのですね。
蕁麻疹
蕁麻疹(じんましん)はアレルギー性、非アレルギー性、遺伝性の3つの種類があります。
どの種類も症状はかゆみを伴った発疹が現れることです。発疹はかゆみだけでなく、灼熱感を覚えることもあります。
見た目は軽いみみず腫れのような膨らみや赤い点などで、別名、膨疹(ぼうしん)とも呼ばれます。
皮膚のバリア機能の低下もかゆみの原因
人の肌には「皮膚のバリア機能」と呼ばれる働きがあります。紫外線や菌だけでなく、乾燥やほこりからも体を守り、肌の水分の蒸発も防ぐ働きです。
バリア機能が低下するとアレルギーの反応が出やすい、乾燥しやすくなるなど、かゆみの原因となる症状が出てきます。
全身かゆいという人は乾燥肌や敏感肌などが原因という場合が多いみたいです。
乾燥肌の人はバリア機能が低下しやすく、敏感肌の人はバリア機能が常に低下した状態になっているので、かゆみに悩まされることになるのです。
バリア機能が低下する原因として、紫外線を長時間浴びる、温冷問わずエアコンの風、乾燥などの外部からの刺激(ストレス)が挙げられます。
なぜ夜になると全身かゆいの?
かゆみの原因には色々ありますが、かゆみの強さは時間帯によって違いがあります。
それは自律神経の影響です。自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中は交感神経が優位になっており、夜には副交感神経が優位になります。
夜、全身かゆいのは、副交感神経の働きによるものです。副交感神経が優位になると、体はリラックスした状態になり、血管が拡がることで血流が増え、体温も高くなります。
この血流が増えて体温が高い状態がかゆみを増すのです。
お風呂もかゆみの原因となってしまう?
夜といえばお風呂もかゆみの原因となります。お風呂は体を清潔にするために入るものですので、お風呂に入ることがかゆみの原因になるのは意外ですよね。
では、なぜお風呂がかゆみの原因になるのでしょうか? まず、お風呂やシャワーの熱が挙げられます。40度以上の熱めの温度だと肌の乾燥を促してしまうのです。
お湯の温度が高いと顔に必要な油分まで流すことになるので、肌を守る皮脂が落ちてしまいます。そうすると肌が乾燥し、かゆみの原因となってしまうのです。
さらに温度の高いお湯は、肌の水分の蒸発も促します。水は温度が高いほど蒸発しやすいので、お風呂上がりには注意が必要です。
そして、覚えていただきたいのはお湯の成分です。お風呂やシャワーには水道水を使いますよね。この水道水には塩素が含まれています。
塩素には水道水を殺菌する効果がありますが、人の肌にとっては刺激が強いのです。
温熱蕁麻疹とは?
特に入浴後に全身かゆい症状が出る人は「温熱蕁麻疹(おんねつじんましん)」の可能性も考えられます。
温熱蕁麻疹とは、体が急に温まることで起きる蕁麻疹のことです。必ずしも入浴が原因とは言えませんが、やはりお風呂やシャワーは肌を急に温めることになりますよね。
温熱蕁麻疹は体が急に温まり皮膚の「肥満細胞」と呼ばれる細胞から「ヒスタミン」という物質が放出されることでかゆくなるのです。
お風呂やシャワー以外にも温かいものを口にするですとか、冬ならカイロや湯たんぽを使った時にも症状が出る可能性があるので、注意が必要ですね。
かゆみの対処法とは?
まず対処法の前に知っておきたいことは「かゆい部分を掻かない」ということです。掻いてしまうとかゆみも悪化しますし、炎症がひどくなって治りが遅くなってしまいます。
薬を使った方法
手っ取り早いかゆみの対処法としては「抗ヒスタミン薬」を使う方法があります。
肥満細胞からヒスタミンが放出されることがかゆみの原因の1つですので、ヒスタミンの働きを押さえ込んでしまうのです。
しかし、薬を使うとなると副作用が心配になりますよね。抗ヒスタミン薬の副作用として代表的なのは、眠気やふらつき、頭がぼーっとするなどがあります。
近年では薬も改良され、副作用の少ないものが増えていますが、薬には副作用がつきものです。
では、薬を使いたくないという人はどうすればよいのでしょうか、今度は薬を使わない対処法をご紹介します。
保湿を行った対処法
アレルギー性、非アレルギー性にかかわらず、乾燥がかゆみの引き金となるので、保湿は欠かせません。
保湿はかゆくなる前から常に行い、かゆみの予防に行う印象がありますが、かゆくなってからでも効果があります。
保湿の時に使う成分としては、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、グリセリンなどがオススメです。
軟膏やクリーム化粧水でしたら、処方箋がなくても手に入りやすいので、全身がかゆいという人にも取り組みやすい方法ではないでしょうか。
患部を冷やす対処法
次の対処法は「かゆい部分を冷やすこと」です。血行がよくなるとかゆみが増しやすいので、血流を遅くすることでかゆみを抑えます。
ただし、寒冷蕁麻疹の場合はこの対処法には注意が必要です。冷やした後に患部が急に温まると再びかゆくなることがあるので、こちらも注意しましょう。
まとめ
夜、全身かゆいという症状でも、原因となる要素はいくつもあるのですね。
かゆくなってから対処する方法を知っておくことも必要な事ですが、かゆみを悪化させないためにも自分の持っているアレルギーを把握しておく、こまめに保湿をするといった「予防」が大切ですね。
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